パントリーの広さ・位置・扉の正解とは|FU設計工房の考え方
実際に、「パントリーはつくった方がいいですか?」というご質問をいただくことも少なくありません。結論からお伝えすると、パントリーはあった方がいいと考えています。
理由はとてもシンプルです。
「一時的に隠せる場所になるから」。
暮らしの中では、どうしても物が増えていきます。特に食品のストックや日用品は、気が付くとキッチンにあふれてしまいがちです。そんな時、一時的に収納できる場所があるだけで、キッチンだけでなく、隣接するリビングまでスッキリとした印象を保ちやすくなります。
今回は、FU設計工房が考えるパントリーづくりについてお話ししたいと思います。
パントリーの広さはどれくらい必要?
私がおすすめしている広さは、およそ2畳です。
1畳でも収納としては使えますが、実際に暮らし始めると少し手狭に感じることがあります。2畳ほどあれば、食品ストックだけでなく、水や防災用品などの備蓄もゆとりを持って収納できます。
また、ご家庭によっては冷蔵庫をパントリー内に配置するケースもあります。その場合でも、扉の開閉や人の動きを考えると、2畳程度あると使いやすいと感じます。
もちろん、すべての住宅で2畳確保できるとは限りません。
そんなときは、リビングの一部を少しだけ収納に充てるという考え方もあります。もともと広いLDKであれば、少し面積を収納へ回しても、吹き抜けや高天井、視線の抜けを工夫することで、開放感は十分に確保できます。

扉は必要?それとも不要?
パントリーで悩まれることが多いのが、「扉を付けるかどうか」です。
一般的には、キッチンの横に扉付きの食品庫を設けるケースが多く、実は私の実家もその形でした。ただ、正直なところ、パントリーの中はどうしても生活感が出やすい場所です。そのため、キッチンから見える位置に設ける場合は、扉で隠せるようにしておくと安心です。
一方で、扉には開け閉めの手間やコストがかかるというデメリットもあります。そこで最近は、視線が届きにくい位置に配置したり、ロールスクリーンなどを使って必要なときだけ隠したりする方法をご提案することもあります。「扉が必要かどうか」ではなく、「見える場所なのか、見えない場所なのか」で考えることが大切です。
パントリーは何を収納する場所?
以前は食品庫というイメージが強かったパントリーですが、最近では役割が少し変わってきました。食品のストックはもちろん、水や非常食、防災用品、日用品のまとめ買いなど、「もしも」に備える収納としての役割も大きくなっています。つまり、パントリーは単なる収納ではなく、日々の暮らしを支えるストック拠点と言えるでしょう。
いちばん大切なのは動線です
パントリーを計画するときに、私が最も重視しているのは「動線」です。パントリーに収納するものの多くは、買い物をして家に持ち帰るものです。だからこそ、「家に入ってから、どのように収納するか」を考えることが、使いやすさにつながります。
最近よくご提案しているのが、
土間収納 → パントリー → キッチン
という動線です。
買ってきた荷物をそのままパントリーへ運び、必要なものをキッチンへ。
この流れができるだけで、毎日の家事がずいぶん楽になります。
そのほかにも、
• 駐車場側から勝手口を通って直接パントリーへ荷物を運べるようにする
• キッチン・パントリー・脱衣室をつなげて家事動線をまとめる
といった計画も、ご家族の暮らし方に合わせてご提案しています。
暮らしに合ったパントリーを
パントリーは、広ければ良い、付ければ良いというものではありません。
どこに配置し、何を収納し、どのように使うかによって、その価値は大きく変わります。
私は、パントリーには
「隠す」「ためる」「運ぶ」
という3つの役割があると考えています。
この3つがうまく機能することで、暮らしは驚くほど整いやすくなります。FU設計工房では、収納の広さだけでなく、毎日の使いやすさまで含めて設計しています。パントリーが単なる流行ではなく、ご家族の暮らしを支える大切な場所になるよう、一緒に考えていければと思います。