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ARAYAの家 2026

 

建築地は、幹線道路から一本入った南東角地。区画整理事業をきっかけに、建て替え計画としてご依頼をいただきました。敷地前の幹線道路は、古くからある街道で交通量も多く、人や車の往来が絶えません。そのため、周囲の環境を丁寧に読み取りながら、プライバシーを確保しつつ、お施主様のご要望を叶えられる住まいを目指して設計を進めました。

この住まいは、80歳を目前に控えたお施主様が、ペットとともに一人で暮らす「終の住処」です。

家づくりで最も大切にされたのは、「日当たりの良い家にしたい」というご希望でした。その想いを住まい全体のコンセプトとし、将来の車椅子での生活も見据えながら、安心して長く暮らせる住まいを計画しました。

敷地の南側は道路と一部駐車場となっており、将来的にも高い建物によって日差しが遮られる心配が少ない恵まれた環境です。その立地条件を活かし、南側にはLDKと和室を配置。北側の寝室からは裏庭を眺められるように計画しました。

一方で、道路からの視線には十分配慮しています。何度も打ち合わせを重ねて高さを決めた塀を設けることで、外からの視線を気にすることなく、心地よく光を取り込める住まいとなりました。北側の裏庭には、以前のお住まいで大切に育てられていた梅の木を移植しています。朝日がやさしく差し込み、四季の移ろいを感じながら、一日を穏やかに始められる場所になりました。

和室は、普段は建具を開放してLDKと一体の空間として使用し、ご家族が宿泊される際には個室として使えるよう計画しています。

一人暮らしを基本としながらも、ご家族との時間も大切にできる可変性のある間取りです。また、水まわりは北側にまとめ、リビング中央の引き戸によって生活空間とゆるやかに区切れるようにしました。来客時でもトイレへの出入りが気になりにくく、気兼ねなく過ごせる動線となっています。

室内には自然素材をふんだんに取り入れています。

床にはウォールナット、リビングの天井には桧、和室には杉を使用しました。白い壁でまとめた空間にやわらかな自然光が差し込み、落ち着きの中にも明るさを感じられる住まいとなっています。
キッチンには、お施主様がお選びになったあずき色を採用しました。上品で落ち着いた色合いが印象的ですが、ダイニング側からは白い壁によってほどよく視線が遮られるため、空間全体の統一感を損なわないデザインとなっています。

高齢になってからの暮らしを考え、この住まいではガレージにも工夫を施しました。大屋根の下には駐車スペースとスロープを一体で計画しています。雨の日でもゆっくりと車の乗り降りができ、夏の強い日差しもやわらげてくれます。機能性だけでなく、大屋根は住まいの外観を特徴づけるデザインとしても、この家の大きな魅力となりました。

また、道路側には、お花を育てることが大好きなお施主様が無理なく手入れを楽しめるお庭を設けています。

暮らしの中で季節を感じられる、そんな住まいを目指しました。

この住まいは、お施主様にとって四度目の家づくりでした。

長年の暮らしの中で培われた経験や想いを一つひとつ丁寧に伺いながら、これから先の暮らしに寄り添う住まいをご提案しました。完成後は、お友達がよく遊びに来られ、おしゃべりを楽しみながら過ごされているそうです。住まいは、建物をつくることが目的ではなく、その先にある暮らしを豊かにするためのもの。

四季の移ろいを感じながら、安心して、そして毎日を楽しみながら暮らしていただける「終の住処」となりました。

用途 専用住宅
敷地面積 217.96m2
建築面積 110.55m2
延床面積 106.41m2
構造 木造
設計期間 2025年1月〜2025年11月
工事期間 2025年11月〜2026年3月