USHIKAWAの家
新居は、ご実家の敷地内に計画されました。南側に母屋が建っており、北側の増築部分を解体して建築スペースを確保しました。新居の南側に設けた庭が、緩やかに距離を保つような役割を果たしています。
こちらは室内の空気が清潔に保たれ循環にも優れるWB工法をFU設計工房が初めて手がけた家です。その特徴を踏まえ、お施主様と猫が暮らす新居には、シンプルなワンルームの空間をご提案しました。猫と一緒に快適で楽しく暮らせる家になるよう、廊下を無くして、扉は引き戸を多用しています。また、2階のフリースペースからは目線が外まで遮られることなく抜けるため、これも広く感じて暮らせる工夫となっています。
間取りの特徴は、お施主様も猫も動きやすい動線になっていることです。1階は、リビングを中心に回遊できるスムーズな動線です。そして、建具で間仕切っている寝室はリビングの横に配置し、将来は1階で生活が完結できるようにしました。広く暮らすための工夫としては、1階は鉄骨階段の下に設けた木製階段をリビング収納とし、天井近くにできた三角形の部分を小屋裏収納としてスペースを設けました。
次に、猫が楽しく暮らせるよう工夫したのが、造作で設けた猫用の階段やキャットウォークです。キャットウォークはリビングの南側や寝室の建具の枠の上を、猫が自由に歩けるようしました。その建具の枠は上部が開いているため、勾配天井の大きな空間の中で空気や熱が効率よく循環するのにも役立ちます。猫が寝るスペースは、2階の本棚を利用して設けました。
一方で、室内で過ごす猫の安全に配慮した点は、土間収納がある広めの玄関から外へ飛び出さないように設けた引戸とリビングの窓をFIXにしたことです。窓の種類は、お施主様から「リビングから外に出ることは、ほとんどなさそうです」というお話があり、猫の脱走を防止できる点も考慮して採用しました。こうして窓枠が不要となった南側の仕上がりによって、寝室から眺めると外と中のつながるとスッキリした印象を感じられる空間づくりへとつながりました。
猫と楽しく暮らせるようご提案した新しい家は、WB工法の効果によって室内の空気が効率的に換気され、ニオイを気にせず過ごせる快適さも味わえるお住まいとなりました。
用途 | 専用住宅 |
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敷地面積 | 322.22m2 |
建築面積 | 73.91m2 |
延床面積 | 109.52m2 |
構造 | 木造 |
設計期間 | 2024年3月〜2024年10月 |
工事期間 | 2024年10月〜2025年2月 |