ICHINOMIYAの家
ご実家の広大な土地の一角に建築する計画として家づくりが始まりました。敷地の大きさは千坪以上、周辺にはたくさん樹木が生えている環境を活かして、窓からその景色を楽しめるような建物配置を計画しました。
お客様からの新居へのご要望は「平屋で暮らしたい」とのことでした。理由は、土地が広い以外にも、介護職のご経験で感じておられることを暮らし方に合わせてご提案しました。例えば、介護する人が動作しやすいよう、通路やトイレなどの幅を広くしています。そして、家具は固定せず、スペースが自由に変えられるよう置き家具で空間づくりをしながら暮らせるよう計画しました。
外観デザインは、自然が多く恵まれた環境に馴染むよう、安定感のあるプロポーションの平屋としました。駐車スペースは建物と一体のインナーガレージとし、車から降りて玄関への動線も緩やかで、雨に濡れることなく室内へ入れるようにしています。
室内の間取りにもつながる建物の形は、全面南側の景色を一望できるように東西方向に長くしています。間取りはリビングを中心に、畳の部屋がダイニングとつながりつつ空間を緩やかに分けています。寝室と子ども部屋も南側に面しているため、間口いっぱいに窓を設けて心地よい光が入るようになっています。また、枯れ葉で樋が詰まることを想定し屋根の先には雨樋をつけていません。それによって、雨天時は屋根先から雨が落ちる様子を室内から楽しめます。
動線は回遊性を持たせて、建物内をスムーズに行き来できるような計画です。そして、室内にいても自然の中にいるような感覚味わえる立地を活かし、室内は構造材(梁や火打梁)を見せて、山小屋のような温もり感を演出しました。各居室は防犯性を高めるため、スリットシャッターを取り付けることで、夜は窓を開けて風を通しつつも安心して過ごせるような配慮をしています。
お施主様にも積極的に家づくりに参加していただき完成した平屋の家。一緒につくり上げた新しい住まいでは、春夏秋冬の自然の魅力を感じられる空間が出来上がりました。
用途 | 専用住宅 |
---|---|
敷地面積 | 414.61m2 |
建築面積 | 139.12m2 |
延床面積 | 123.39m2 |
構造 | 木造 |
設計期間 | 2022年7月〜2024年4月 |
工事期間 | 2024年4月〜2024年10月 |