病院に隣接する薬局の建替工事をご依頼いただきました。きっかけは、これまで営業してきた建物が築80年で老朽化による耐震性の不安からでした。工事中も営業したいという要望から工事は二期に分けて実施しました。一期工事で完成した建物へ引越し後、既存建物の解体工事を行い、一期で出来上がった建物との接合に配慮しながら二期工事を進めていきました。

新しい薬局には「お客様がくつろげる、カフェのような薬局」というオーナー様の想いが込められています。

外部は、ガルバリウム鋼板に板張りを組み合わせています。外壁の一部に木を使用することで落ち着いた雰囲気に仕上がっています。隣接する病院からご高齢の方や車椅子の方でも利用しやすいよう、手すり付きのゆるやかなスロープが設置されています。

サイン計画については、病院に隣接していることから「薬局」を示すための大きな看板はやめ真鍮やガラスといった素材感のある材料を使用し、控え目ながらもインパクトのあるデザインでまとめています。

内部は、薬を待っている時間をくつろいで過ごしていただけるよう、坪庭を眺められる畳スペースとベンチがあります。そこは、通院に来られる高齢の方がお友だちと待ち合わせてお話ができる場所として使って頂いたり、小さなお子さん連れでお越しになる方にも気兼ねなくのんびり過ごしたりできるような配慮をしています。また、薬局は待合から調剤スペースが見えるようになっていることがほとんどですが、こちらではあえて視線を遮るような計画を取り入れました。内装仕上げは板張りとすることで、自然素材に囲まれた空間が広がり、訪れる方がホッとするような、薬局となりました。