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価格高の家づくりで品質を下げてはならない所と調節できる部分の話

価格高の家づくりで品質を下げてはならない所と調節できる部分の話

長年設計の仕事をしていて、今ほど物価の高騰の影響を感じたことはありません。住宅の材料となる木や鉄、コンクリート価格の上がり方を見て痛感しているところです。年収がなかなか上がりにくい中で、この物価高のギャップを誰がどこで埋めるかと、つくり手としても考える時間が増えている気がします。

 

例えば食料品では買う量を減らしたり、牛肉より豚肉や鶏肉を選んだりして、物価の高騰に対応されていると思います。それと同様に、建築の場合は家のボリュームを小さくしたり、仕上げ材を変更したり、設備のグレードを下げたりと様々な方法でコストを抑えます。他には、私がよくご提案するのは塗装工事をお施主様と一緒にやる方法です。左官屋さんが施工した方がもちろん仕上がりはきれいです。でも、うまく塗れなくてもそれも「あじ」という考え方を持って、お客様にも家づくりに参加していただきます。プロの仕上げに劣る分、楽しい思い出が埋め合わせしてくれます。

 

一方で、家の基本性能の一つである耐震性(構造)は住まい手の安全に関わるためとても大事です。FU設計工房では、どのお客様にも耐震等級3を備えた家づくりをしています。もう一つの断熱性については、樹脂サッシ/複合サッシ、トリプルガラス/ペアガラスでコストの調整をはかっています。サッシは性能でコストに差が出ます。コストダウンが必要な場合でも、必ず内容を理解してもらった上で調整します。他には、断熱材にも選択肢を設けています。お客様の予算によってイニシャルコストとランニングコストが日々の生活でどのような状態になるのかをご理解いただいて、選んでいただきたいと思います。

 

この物価高騰の流れは今後も続くと思っています。FU設計工房としては建材問屋とのコミュニケーションを取って価格を抑えて木材の仕入れを行っています。そしてもう一つ重要なのが、現場をつくり上げてくれる職人さんたちへ技術に見合った費用が行き届くことです。みんなの理解と協力で良質な家づくりができるよう、これからも考えていきたいと思います。