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裏入りトイレ。どんなトイレ?いいところは?

裏入りトイレ。どんなトイレ?いいところは?

新しい発見をするきっかけは、予め準備をしてそうなる場合もあれば、予定通りにいかず違う選択を迫られた時に偶然思いつくこともあると思います。

 

今回お話しする出入りの仕方や便器の向きがいつもと違うトイレの説明は、我が家のトイレを事例として取り上げています。一般的なトイレのおさらいとともに、気づいたことや色々と考えたことをお話ししていきたいと思います。

 

1)トイレの出入りとスペースの広さ

住宅の場合、一般的にトイレの出入りは正面入りか横入りの二択で、トイレの幅は正面入りでは910mm、横入りでは1820mmがほとんどで、いずれも910mm(3尺)のモジュールで計画されています。

 

ところが、我が家の2階にあるトイレ(通称「裏入りトイレ」)。先日訪問された方は、扉を開けた時に便器が見えず驚かれていました。実は、このような配置になった理由は、構造上大きな梁があり配管スペースを確保できなかったためです。スペースの幅は1365mmと奥行きが1592.5 mmになっており、イレギュラーな寸法になっています。

 

2)裏入りトイレのメリット

メリットとして、トイレに入った時、便器が見えにくいこと。実際に使用してみると座りやすく、中での動作が少なくて済みます。そして壁面をきれいに見せることができるといった長所があります。また、トイレに必要な換気扇、給水、コンセントといったすっきりさせたい設備関係は便座の向きを変えると視覚に入りにくくなり、“見ないで済む”のもいいところではないでしょうか?

 

裏入りトイレを見て驚かれた方は「変わっていますけど、スペースがしっかあるので用途としては問題なさそうですね」とおっしゃっていました。見た目には新鮮ですが、幅や奥行きがイレギュラーな寸法となるためそれをきちんと設計に落とし込むところが難しさでもあり、設計のやりがいでもあります。

 

トイレを一つの部屋として空間を考えるFU設計工房の設計手法に新たに加わった「裏入りトイレ」。そうせざるを得ない条件の中で取り組んだものでしたが、トイレのつくり方の固定概念にとらわれないチャレンジとなり、改めて考え直したことで最善策になったと感じることができました。

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