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住まいとあかりについて

住まいとあかりについて

外が明るくなると目覚め、夕方の日没を目安に帰宅する。屋外の明るさは私たち人間の基本的な行動を促す役割がありますね。では、室内の照明はどんな影響があるのでしょうか?

 

今回は住まいとあかりについてお話したいと思います。

 

あかりがもたらす空間への快適さを考えた時、“暗い夜”をつくることを意識して下さい。

これまで日本の住宅照明は、昼も夜も変わらず部屋全体を一様に明るくしてきました。明るければ良いという考え方は、食事でただお腹がふくれればよいということに似ています。夜なのに昼間のような明るさのままでは、夜ならではの雰囲気を楽しむことができません。おいしいものを食べたいという気持ちと同じように、暗さの中にあかりをつけたら楽しいと感じること。そんな、おいしい光を楽しむことこそ安らぎのある夜を過ごすための秘訣だと思います。

 

次に、照明の色と配置を工夫して下さい。

FU設計工房では照明の色に電球色を選ぶことが多いです。あのオレンジ色の光が、焚火やロウソクなどモノを燃やしたときの色に近く、安らぎを与える色だからです。皆さんも経験ありますよね?これは心理学的にも証明されており、オレンジ色(電球色)の光には落ち着きを感じさせ、白色の光(昼白色)は心拍数を上昇させる働きがあります。ですから、人間にとって白い光は働く光で、オレンジ色の光は休むための光なのです。

 

照明の配置についてですが、なるべく光の重心を視線より下げると落ち着いた雰囲気の空間になります。キャンプでの焚火もそんな感じですよね?例えば、ダイニングテーブル上にペンダントライト、TV台の横にフロアスタンド等を設置すると光の重心が下がるのでオススメです。ただ、明るさが不足して見えづらいということがあれば、光の強さを調整できるよう調光機能を追加したり、手元照明としてデスクライトを使用したりするなどして、ライフスタイルと生活のシーンに合わせた工夫をしてください。

 

照明計画も間取検討と同様に大切な要素です。注文住宅だからこそこだわれるところでもたくさんありますので、プランニングにあたっては「どんな雰囲気が好きか」をたくさん伝えてほしいと思います。