軒と庇で光や熱をコントロール
植物の眩しい緑を見ていると、季節は淡々と変化していっていることに気づきます。今年も変わらず春から夏へと移っていく今は、とても過ごしやすい季節ですね。
今回は、家の外観デザインや機能との関係を踏まえて、軒や庇についてお話したいと思います。
軒は屋根の端で建物の壁からはみ出した部分のことをいい、庇は開口部の上に取り付けられる日除けや雨除け用の小型の屋根のことを言います。他のものに例えると、軒が傘で庇が帽子というイメージでしょうか。
FU設計工房の家づくりでは、冬の光(熱)をたくさん取り込んで、夏の日射は遮るようなバランスで軒・庇を計画しています。理由は、室内の温熱環境づくりにかかるエネルギー量と関係しています。例えば、夏場30度の室内を25度にする冷房不可のエネルギーと、冬場0度を25度まで上げるエネルギーは、単純に比較すると5倍の力が必要になります。そのため、冬場のエネルギー消費を抑える工夫を家づくりから考えています。
夏は年々厳しさが増していますが、基本的な対策はやはり外からの熱は外で遮ることです。軒や庇はもちろん窓の性能も高めることで、室内温度を安定させます。室温と外気温の差を抑える工夫が結果的にエネルギー消費を抑えて、地球環境を守ることにもつながっていくと考えています。